MCTオイルが流行ってからよく聞くようになった中鎖脂肪酸って何?長鎖脂肪酸との違いやそれぞれの特徴・性質について

乳製品やココナッツなどに多く含まれる飽和脂肪酸のひとつである「中鎖脂肪酸」は、MCTオイルが流行り出した頃からよく聞くようになりました

しかし、「ダイエットに良い」とか「エネルギーになりやすい」といった、なんとなくのイメージはあっても、その特徴や性質については良く分かっていない人も多いようです。

そのため、ここでは今一度中鎖脂肪酸長鎖脂肪酸の違いを理解するため、それぞれの特徴と性質についてまとめておきます。

脂肪酸は繋がった炭素の長さによって分類される

脂肪酸は炭素(C)、酸素(O)、水素(H)によって構成されていますが、中鎖脂肪酸や長鎖脂肪酸などは、この炭素の長さによって分類されたものになります。ちなみに炭素の長さが6個以下の短いものは短鎖脂肪酸です。

また、脂肪酸は炭素の二重結合の数や結合の位置によっても分類され、さまざまな種類のものがありますので、身体に良い油(悪い油)を知りたい場合は、こちらを参考してください↓

中鎖脂肪酸と長鎖脂肪酸の違いは消化吸収スピードにあり

通常、食事から摂った長鎖脂肪酸は、小腸からリンパ管や静脈を通り、脂肪組織や筋肉、肝臓に運ばれてから分解され、余った分は貯蔵されます。

しかし、中鎖脂肪酸は長鎖脂肪酸に比べて繋がった炭素の長さが短く、グルコースやアミノ酸と同じように門脈を通過し、直接肝臓に運ばれるためすぐにエネルギーとして分解されます。

つまり、長鎖脂肪酸は身体に蓄積しやすい脂肪酸なのに対して、中鎖脂肪酸はすぐにエネルギーとして使われるため、特に糖質制限ダイエットをしている人の代用エネルギー源としても重宝されやすいのが特徴です。

アスリートや医療現場でも使われるMCTオイル(中鎖脂肪酸)

「中鎖脂肪酸」より「MCTオイル」という呼び名のほうが馴染みがあるかと思いますが、MCTオイルとはココナッツやパームに含まれる中鎖脂肪酸だけ取り出した100%中鎖脂肪酸オイルのことです

このMCTオイルが注目されるようになったのは、糖質制限ダイエットやバターコーヒーなどが話題になった頃ですが、

エネルギー効率の良さやその安全性からプロのスポーツ選手やマラソン選手などに限らず、医療の現場でも50年以上も前から、消化能力が弱った手術後の患者さんや未熟児、腎臓病の方などに利用され続けています。

また、MCTオイルは脂肪の燃焼を促すだけではなく、腸内環境を整えて便通を改善してくれる効果も期待できるため、理想の体型を目指す女性にも広く愛用されています。

長鎖脂肪酸は摂りたくない。それは間違い。

すぐにエネルギーとして分解されて、なおかつ脂肪を燃焼しやすい中鎖脂肪酸に比べて、脂肪組織に蓄積されて「太りやすいイメージのある長鎖脂肪酸はできる限り摂りたくない!」と考えてしまいがいちですが、それは間違いです。

というのも、ひとことで長鎖脂肪酸といってもさまざまな種類があり、その特徴に違いがあります。

たしかに揚げ物などで良く使われるオメガ6系の油の摂り過ぎは、アレルギーなどの悪化を招く懸念がありますが、、

実は、アレルギーを抑制したり、血管をしなやかにして動脈硬化や認知症の予防する働きに注目されているオメガ3系も長鎖脂肪酸です。

その他、脂肪酸にはエネルギーの貯蔵以外に、私たちのカラダを構成している細胞膜をやホルモンの材料になるので、不足してしまえば肌や爪、髪の状態が悪くなったり、免疫力が低下して風邪や病気になりやすくなってしまうことがあります

ですので、中鎖脂肪酸や長鎖脂肪酸で分類して摂取の判断にするのではなく、糖質の代用エネルギーとしてMCTオイルを活用し、健やかな身体を作るためにオメガ3などの良質な脂肪酸を摂ることを心がけるようにしましょう。

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