酸素や栄養を運ぶだけではない。人間の生命活動において大切な「血液」の5つの働きとは?
皆さんは血液について、どれだけ知っていますか?
なんとなく、とっても大切なものだという印象はお持ちだと思いますが、ここでは血液が私たちの生命活動において果たしている大切な働きについて説明したいと思います。
人間の生命活動において大切な「血液」の5つの働き
血液とは人間の体内を流れる体液です。体重の約13分の1程度の量が血液と言われています。血液は、血漿と血球で構成されていて、人間の生命活動を維持するための重要な働きを行っています。
①酸素や栄養を運ぶ
呼吸によって吸い込まれた酸素を肺から受け取り、必要な組織に運んでいます。また、酸素と同時に栄養を運ぶのも血液の仕事です。
私たちが食べたものは消化管で栄養素に分解され、血液にのって各組織に運ばれるのです。
②二酸化炭素や老廃物を回収する
酸素を運んだあとは、要らなくなった二酸化炭素を回収して体外へ排出する働きをします。また生命活動によって生じた不要物や老廃物も回収します。
たとえば、各組織から不要物を受け取った血液が、肝臓・腎臓を通り、やがて便・尿となって排出されていくのは、まさにこの仕組みです。
①②のような「運搬」の働きが、一般的な血液の印象ではないでしょうか。それ以外にも血液は大切な働きを担っているのです。
③免疫機能
血流が低下すると、病気にかかりやすくなります。なぜなら血液は「免疫物質」も運んでいるからです。
もしも体内に細菌やウィルスが侵入してしまった場合、血液によって瞬く間に全身にめぐってしまいます。それを食い止めるために、血液中の免疫担当細胞である白血球(好中球、リンパ球など)が活躍しているのです。
血液はこれらの免疫担当細胞を、感染した部位など必要な場所に運び、病気から体を守っているのです。がん細胞も退治してくれます。
④体温の調節
人間の身体は、体温を一定に保つ必要があります。体温を調節して活動をしやすくするのも血液の役割のひとつなのです。
⑤情報を伝達する
血液は、ホルモンを介して全身の細胞に情報を伝達する役割も果たしています。
たとえば、女性の場合「もうすぐ生理がきますよ」という情報を血液に乗せて届けます。血液が全身を一周するのにかかる時間は約20秒~1分といわれています。
また、迅速に判断しなければならないときには、神経が情報伝達に使われます。それに対して血液は、ホルモンを介してじっくり作用するようなものに対して使われます。
以上のように血液は、人間の生命活動維持のために大事なものです。血液の状態を良好に保つことによって、健康を維持していけるよう頑張っていきましょう。