大豆の栄養パワーがもたらす注目の4つの成分とその効果について

大豆は畑の肉と言われるほど栄養豊富な食べ物です。ここでは「大豆」の栄養素や働きについてご紹介します

大豆にはどのような栄養があるの?

大豆(乾燥)の30%以上はタンパク質です。たんぱく質は人間の筋肉や内臓など身体の組織を作っている成分であり、生命維持に不可欠の重要な栄養素です。

良質なたんぱく質が含まれている食品といえば肉や卵ですが、大豆もそれに勝る良質なたんぱく質が含まれています。このことから「畑の肉」と呼ばれているのです。

大豆100グラム中の栄養成分

出典:日本食品標準成分表2015年板・七訂(国産・黄大豆・乾)より

また、たんぱく質・炭水化物・脂質の3大栄養素がバランス良く含まれており、その他にも食物繊維・カリウム・カルシウム・マグネシウム・ビタミン等様々な栄養素が含まれています。大豆は食材の中でも、優れたバランス栄養食といえるでしょう

大豆が秘める注目の4つの成分とその効果について

大豆にはたんぱく質以外にも様々な栄養が含まれているので、身体にとても良い効果が期待できます。

①大豆レシチン

身体に必要なリン脂質の1つです。細胞膜の主成分であり、認知症や動脈硬化の予防、肝機能の向上、脂質の代謝促進などの働きをする、健康維持のために必要な成分です。

②オリゴ糖

糖類の一種で、腸内の善玉菌を増やすなど身体に良い働きをする成分です。腸内環境を整えて便秘改善・美肌効果やミネラル吸収を促進するといった効果があります。

③大豆サポニン

植物の根、葉、茎などに広く含まれている配糖体の一種です。大豆サポニンには抗酸化作用があるため脂肪の酸化を防いでくれたり、体内のコレステロールを除去するはたらきがあります。

④大豆イソフラボン

大豆に含まれている成分の中でも特に注目されているのが、ポリフェノールの一種「大豆イソフラボン」です。

年齢を重ねると女性ホルモンのエストロゲンは徐々に減少していき、自律神経のバランスが乱れ、様々な不調が現れます。

イライラするなどの精神的症状だけでなく、血液循環の働きがうまくいかず起こる症状「ホットフラッシュ」など、更年期障害の症状もエストロゲンの減少によるものです。

大豆イソフラボンはエストロゲンと似た構造を持ち、同じような働きをするため、更年期障害の軽減や骨粗しょう症の予防等に有用と言われています。

また、LDLコレステロールや中性脂肪を下げる働きもあり、血管をやわらかくしてくれます。

血管は加齢によって固くなりやすく、血管病のリスクが高まります。しかし、血管年齢はケアすることによって何歳からでも若返ることが可能と言われています。

血管を若々しく保つことは万病予防ともいわれていますので、食べ物からでも毎日少しずつケアしていくことで血管の健康を維持することができます

◆1日の摂取量は?

では、1日にどれくらい大豆食品を食べるのが好ましいのでしょうか?

厚生労働省が推進する「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」によると、大豆を含む豆類の1日の摂取量は「100g」とされています。

食卓でよく見かける大豆加工食品ですと豆腐は1/4丁納豆は1パックが1日の大豆摂取量の目安となります。また、大豆単体で食べる場合は「蒸す」調理法が、栄養素をほとんど保てるのでおすすめです。

このように、大豆には様々な栄養素・それに伴う効果が期待できる食品です。身近なものでは、枝豆も同じ部類で、ビタミンやベータカロテンも含まれているので、このようなもので摂取するのもいいですね。

ただし、塩分やカロリーが高いこともあるので、摂取しすぎると健康を害する可能性もあります。適切な量をいつもの食事に取り入れて、バランスの良い食事を心がけましょう。

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