脂質の摂りすぎは太るって本当?意外と知らない体脂肪が付くメカニズムについて
ダイエットをはじめようとしたとき「アブラは敵!!」と、まずは油分の多い食事を避けたくなるものです。
それは「食事での脂質の摂取=そのまま身体の脂肪として蓄積される」そんなイメージがあるからではないでしょうか?
たしかに焼肉や揚げ物、ラーメンなど脂質の多い食べ物は太りやすいので、食べすぎには注意が必要です。でも、、
「サラダやバナナ、野菜ジュースなど脂質の少ないものを食べるようにしているのになぜか痩せない・・」
そんな人も多いのではないでしょうか?
それもそのはず。実は、肥満の原因は脂質だけではありません。もしかしたら意外にも、サラダやバナナ、野菜ジュースが”痩せない原因“になっているかも知れません。
健康的に痩せるためには、まずは「なぜ体脂肪が付くのか?」を知ることが大切です。体脂肪が付くメカニズムを理解し、自分に合ったダイエット方法を見つけましょう。
体脂肪が付くメカニズム
食事などから摂取した脂質は、リパーゼという消化酵素によって脂肪酸に分解され私たちの活動エネルギーとして使われます。しかし・・
必要以上に多く摂りすぎてしまうと余った脂肪酸は肝臓に送られ、中性脂肪として身体に蓄えられます。これがいわゆる内臓脂肪や皮下脂肪などの体脂肪になります。
ただ、ひとことで脂質といっても、身体に蓄積しやすい(太りやすい)脂肪酸もあれば、身体に蓄積しにくい(太りにくい)脂肪酸もあり、その性質や働きなどそれぞれ特徴が違います。
飽和脂肪酸やトランス脂肪酸などは摂りすぎてしまうと太る原因となりますし、生活習慣病やメタボリックシンドロームなどのリスクも高まるので、過剰摂取には注意が必要です。
それに対して、後者の魚油やエゴマ油、クリルオイルなどに含まれるオメガ3脂肪酸は、血中の中性脂肪や悪玉コレステロールを減少させてくれるので、ダイエット中でも積極的に摂りたい脂肪酸です。
では、なぜ脂質を避けた食事をしているのに痩せないのか?
もしかしたらそれは、糖質の摂りすぎが原因かもしれません。
食事などから摂取した糖質は、体内でブドウ糖に分解され活動エネルギーとして使われますが、血中に残っているブドウ糖はすい臓から分泌されたインスリンによって、脂肪やグリコーゲンとして身体に蓄えられます。
つまり、脂質も糖質もどちらも必要以上に摂りすぎてしまうと、余った分が体脂肪となって身体に付いてしまうわけですね。
知らぬ間に糖質過多になっていませんか?
「いや、ジュース(コーラなどの飲料)は飲まないし、砂糖がいっぱいのお菓子とかチョコレートとかも食べてないよ!」と思う人もいると思いますし、実際に、、
糖質と聞くと1番に思い浮かぶのが飴やチョコレート、ケーキなどの砂糖がいっぱいの食べ物ですが、甘いもの以外にも糖質が含まれる食べ物は身近に溢れています。
その代表的なのが炭水化物です。主食と呼ばれるご飯やパンにラーメンやパスタなどの麺類、そしてたこ焼きやお好み焼きなどの粉ものなどはすべて炭水化物です。
糖質は「炭水化物-食物繊維」なので、食物繊維が豊富なもみ殻や糠層が取り除かれた精白米は糖質が多く、茶碗1杯分で約55g(角砂糖14個分)の糖質があります。
それに、バナナはビタミンやミネラルなどが豊富で栄養満点な食べ物ですが、1本で約22gの糖質が含まれます。
そして、健康のために野菜ジュースを積極的に飲むようにしている人もいますが、紙パック200mlで15g程度の糖質が含まれるものも多く、どうしても知らぬ間に摂取過多になりがちなのが糖質ですね。
「ヘルシーとは何?」ノンオイルドレッシングが良いとは限らない。
最近はコンビニやスーパーでも、ダイエットをしている人をターゲットとした「ノンオイルドレッシング」などもたくさん置いてありますが、その成分表示を見てみると・・
サラダにかける大さじ一杯分で約5g程度の炭水化物(食物繊維はほぼ無し)が含まれていたりします。これをたっぷりとかけていたらヘルシーでもなんでもありませんね。
それに対して、脂質を含むシーザードレッシングには1.6g程度の炭水化物しか含まれていないものもありますし、
実は、ニンジンやピーマンなどに多く含まれるβ-カロテン(ビタミンA群)は脂溶性ビタミンなので、脂質のあるドレッシングをかけて食べたほうがほうがビタミンの吸収率が高まります。
このように、普段の食事で脂質を摂りすぎてしまってい人にとっては、油が無い分カロリーが抑えられているノンオイルドレッシングも一つの選択肢として役立てられますが、
特にダイエット中はどうしても栄養が偏りがちなので「ノンオイル=ヘルシー」と考えて油を抜くのではなく、本来の「ヘルシー」という言葉の意味のとおり自分自身にとって「健康的」である食事を心がけることが大切です。
脂質を摂りすぎなら脂質を抑え、糖質を摂りすぎなら糖質を抑えるように、脂質、糖質と上手に付き合いながら、自分に合ったダイエットを実践しましょう。