夏場に要注意!!脳梗塞の対策法
厚生労働省が発表している「日本人の死因」の第4位は、脳血管疾患です。
脳血管疾患は、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など、脳の血管のトラブルによって起こる病気です。
その中でも、脳梗塞は毎年20万人が発症し、6万人近くの方が亡くなっています。
命は助かっても、体の麻痺や言語障害、視覚障害、記憶障害などの後遺症が残ってしまうことが少なくない疾患です。
脳梗塞と聞くと、冬場に多いと思われがちですが、実は7~8月の夏場に発生数が一番多くなります。
熱中症と同様、夏こそ注意が必要な脳梗塞についてお話します。
なぜ夏場に脳梗塞が多いの?
脳梗塞は、血管の中に血栓(血液の塊)ができることで、脳の血管が詰まったりして血流が途絶え、脳細胞が壊死してしまう病気です。
夏場に脳梗塞を発症しやすいとされる大きな原因の一つは脱水による体内の水分不足です。
人間のからだの約60%は(成人男性の場合)水分でできています。
1日に必要とされている水分量は 2.5ℓですが、私たちが普通に生活していて失われる水分量も、同量の2.5ℓと言われています。さらに夏場は多くの汗をかくため、身体が脱水状態に陥りやすく血液中の水分も失われてしまいます。
食事中の水分や体内で作られる水の量は1.3ℓ程度なので、意識的に水分を補給しないと血流が悪くなったり、血液がドロドロ状態になり、血栓ができやすくなり脳梗塞を発症するリスクが高くなります。
脳血管疾患は予後が非常に悪いので、しっかりと予防しましょう。
では、どのような対策をしたら良いか見てみましょう。
食事管理
・塩分を控える。(1日の塩分摂取量の目標値:成人男性7.5g未満、女性6.5g未満)
酢・柑橘系・マヨネーズ・ケチャップ・ドレッシングがおすすめ
・青魚(オメガ3脂肪酸)をとる。
サバ・イワシ・サーモンなど
・野菜・果物・海藻(ビタミンやミネラル)をとる。
かぼちゃ・レモン・ブロッコリー・ほうれん草・わかめ・こんぶなど
・良質のたんぱく質を取る。
脂肪の少ない肉類・魚介類・たまご・大豆製品・牛乳・乳製品など
運動
・毎日30分~1時間のウォーキングや水泳などを行う。
過度な運動は逆効果となることもあります。無理なく継続できる運動を行いましょう。
入浴
・41℃以下のぬるめのお湯に浸かる。
長湯をすると汗をかき脱水状態になります。入浴時間は10分以内し、入浴前後にはコップ1杯の水分をとりましょう。
水分補給
・こまめな水分補給を心がける。
水分を摂取しても、体全体に浸透するまでに約20分ほどの時間がかかります。水分の摂取後、すぐに血液の流れがよくなるわけではないので、時間を決めるなどして、こまめに水分をとりましょう。
冷房は適温
・冷房の設定温度は24~28度にする。
エアコンによる乾燥も要注意です。冷房の効いた室内は乾燥しており、体内から少しずつ水分が奪われていきます。脱水状態になりやすいので、涼しい部屋で汗をかいたり、喉が渇くことがなくても水分をとることを心がけましょう。
節酒
・飲酒は、換算20g程度(日本酒1合、ビール小瓶1本まで)にする。
アルコールには利尿作用があり、脱水を招きやすくなります。とくに運動で大量に汗をかいた場合や、就寝前の大量の飲酒は気を付けましょう。
日頃から少しずつ対策することで夏場の脱水や熱中症からくる脳梗塞のリスクは下がります。
まずは脱水や熱中症にならないようにすることと、日常の食生活からくる血管系疾患の予防から始めましょう。
出典:公益社団法人 日本脳卒中協会 | 脳卒中の予防と患者家族の支援を目指して.“脳卒中予防十か条”.公益社団法人日本脳卒中協会. https://www.jsa-web.org/citizen/85.html
, (参照2024-8-13)
出典:日本生活習慣病予防協会.“熱中症? いや、脳梗塞かもしれない! Part 1 症状の見分け方と対策”. 日本生活習慣病予防協会.
https://seikatsusyukanbyo.com/calendar/2022/010647.php ,(参照2024-8-13)
出典:国土交通省.“「健康のため水を飲もう」推進運動”.国土交通省.https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/watersupply/stf_seisakunitsuite_bunya_topics_bukyoku_kenkou_suido_nomou_index.html ,
(参照2024-8-13)