玄米によって疾患のリスクが減る?
日本の主食であるお米。私たち日本人の食生活に欠かすことのできないお米はさまざまな栄養素が含まれています。
どんな栄養素が含まれているか気にしたことはありますか?今日は、お米の栄養素や近年注目されている玄米についてご紹介します。
日本では、お米は縄文時代から食べられており、1962(昭和37)年度のピーク時には一人あたり年間118kgのお米を消費していました。
その後、食生活が大きく変化したことなどによって、令和3年度のお米の一人あたりの年間消費量は半分以下の51.5kgと年々減少傾向にあります。
それでも、国民一人当たりの供給熱量の21~24%はお米から供給されており、私たちにとって今なお重要な食料の一つといえます。
では、そのお米にはどの栄養素が入っているのか見ていきましょう。
お米に含まれる栄養素
炭水化物
体内で消化されるとブドウ糖となり、ブドウ糖を唯一のエネルギー源とする、脳・神経組織・赤血球の活動も支えています。生きていくための重要なエネルギー源です。
たんぱく質
筋肉、消化管、内臓、血液、毛髪や皮膚など、体の組織をつくっているだけでなく、各種ホルモンや酵素、抗体となって体を維持・調節し、体を動かすエネルギーにもなります。
脂質
エネルギーの蓄積やホルモンの生成に役立ちます。体のエネルギー源になるため健康にとっても不可欠な栄養素です。
ミネラル
カリウムは、ナトリウムと細胞を保つ働きがあります。マグネシウムは、体の機能を維持するのに必要な物質の合成を助けたり、骨の健康維持や体温・血圧の調節、神経伝達をする重要な役割を担っています。
ビタミン
ビタミンB1は、炭水化物からエネルギーを作り出すために必要な栄養素です。皮膚や粘膜の健康維持を助けます。ビタミンB6は、たんぱく質をエネルギーに変換する際に必要な栄養素です。筋肉や血液の生産、皮膚や粘膜の健康維持にも必要な栄養素です。
食物繊維
お腹の調整を整える栄養素です。ゆっくり噛んで食べることにより、血糖値が急に上がるのを防ぎ、血液中のコレステロールを低下させてくれます。
そのほか、亜鉛・鉄・カルシウムなども含まれます。
完全栄養食とも呼ばれる玄米がのパワーについて
私たちが健康な体で活動するために、必要な栄養素を含んでいるお米は、最近は炭水化物ダイエットなどでお米離れが進んでいます。
適切な量をとることで、お米がもつパワーを発揮してくれます。
中でも、近年の健康志向ブームにより注目されている玄米は完全栄養食と呼ばれているほど栄養価が高いです。
玄米は、精米によって除かれる「外皮」や「胚芽」をあえて残したお米です。
そのため、白米よりもビタミンE約12倍、マグネシウムは約5倍、食物繊維は約6倍と栄養価が非常に高いことで知られています。
玄米には嬉しい健康や美容効果も
腸内環境の改善や抗酸化作用による美肌効果をはじめ、脳血管疾患・心疾患の予防も期待されており、健康維持や美容のためには玄米を取り入れたほうがよいでしょう。
このようにお米は、古くから現在にいたるまで体を動かすエネルギー源となり私たちを支えてきました。
食生活の変化によりお米の消費量が年々減少傾向にありますが、お米を中心とした食生活は、栄養バランスがとれた健康的な食生活にもつながります。
上手に取り入れながら、健康的に過ごしていきましょう。
出典:農林水産省ホームページ.“お米と食料安全保障”.農林水産省.https://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/okome_majime/content/food.html , (参照2024-10-30)
出典:一般社団法人 日本肥満症予防協会.“玄米や麦ごはんなどの「全粒穀物」が心臓病や脳卒中のリスクを低下 「超加工食品」にも注意”.一般社団法人 日本肥満症予防協会.http://himan.jp/news/2021/000487.html , (参照2024-10-30)