健康寿命を延ばすために知っておきたい「血管の内皮細胞」を傷つける4つの原因とその予防について
血管は、酸素や食事から摂った栄養などを体全身に運ぶ役割がありますが、食事内容や生活習慣の影響を受けやすいため、血管が傷ついた状態が長年続くと、柔軟性を失い硬くなる傾向にあります。
「人は血管と共に老いる」とも言われるように、血管が劣化してくると・・
心疾患や脳血管疾患、癌など、死因の上位を占める様々な病気に繋がりやすくなりますので、長く健康的な生活を送るためにも、日頃から血管の傷つけない生活習慣を心がけましょう。
血管の内皮細胞を傷つける4つの原因
血管はゴムホースのように筒状の形をしていますが、外膜と中膜と内幕があり、内幕の表面は内皮細胞で覆われるような構造になっています。
この内皮細胞は血液と直接接しているので、もともと傷つきやすい部分ですので、特に内皮細胞を傷つける4つの原因を知っておきましょう。
酸化
人間の身体に備わっている抗酸化作用を上まわって活性酸素が増えると、酸化がすすんで血管内の細胞を傷つけてしまいます。
人間は呼吸によって酸素を取り込んでいます。体内に取り込まれた酸素のうち数%が不安定な分子に変化します。これが活性酸素(フリーラジカル)で身体に様々な影響を与えます。
活性酸素は悪者のように思われていますが、殺菌作用によって感染を防ぐという有益な作用もありますが、その一方で強い酸性が正常な細胞を攻撃して酸化を進めてしまいます。
活性酸素が過剰に発生すると血管だけでなく、内臓や皮膚など全身にダメージを与えて病気の原因になったり、老化を進めます。
糖化
身体の中のたん白質が糖と結びついて変性してしまうことを糖化といいます。酸化が身体の「さび」なら糖化は身体の「こげ」と言われます。
お料理でメイラード反応というものがありますが、これは魚やお肉、ホットケーキなどを焼いたときに茶色くなっておいしく香ばしくなることを言います。
そして生きている人間の身体の中にもこれと同じようなことがおこっています。それを糖化と呼ぶのです。
血管の組織が糖化によってもろくなると血管壁に炎症が起こりやすくなり、やがて動脈硬化となります。動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが高まります。
また、腎臓のろ過フィルターが糖化することで腎機能が低下してしまい、尿たんぱくの症状が起こると、骨では骨粗鬆症、目では白内障や網膜症などの原因となります。
さらにはアルツハイマーなど、老化によっておこる様々な機能の障害は糖化が引き起こしていると言われています。
炎症
身体に傷ができると赤くはれることがありますが、これは炎症が起きているからです。血管も同じように、、
血管の内皮細胞は常に血液に触れているため、血液を全身に運ぶという役割を果たしながらも、常に傷ついたり修復したりを繰り返している状態です。
しかし、血管の炎症が継続的に起きてしまうと修復がおいついていかなくなり、いずれ血管が詰まったり切れたりしてしまうのです。
ストレスや高血圧
ストレスを強く感じると血圧が上がったり動悸したりしますね。この時、血管は強く緊張し、過剰な収縮状態になっています。
この血圧が上がって収縮した状態の血管に、さらに高い圧力で血流がぶつかることで血管を傷つけてしまうわけですね。これを繰り返していくうちに・・
血管壁は硬くもろくなり、動脈硬化が進行して、脳卒中や心臓病、腎臓病などの重大な病気を次々と引き起こします。
以上のような血管への悪影響を極力避けるように日常生活を送ることが、血管強化を進める上で大切です。
身体によい油を摂って血管を強くしなやかに
脂質の多い食事は血管を傷つけると思われていますが、実は血管の修復や炎症の予防には油が大いに関係しています。
というのも、細胞膜の大半は脂質で作られており、血管内皮細胞も表面は主に油でできているからです。
食品に含まれる脂質には様々なものがありますが、細胞膜を強くできる脂質はクリルオイルや青魚に含まれるEPA・DHAなどで、「オメガ3脂肪酸」と呼ばれます。
「オメガ3」のような身体によい油をとることで、細胞膜を強くすることができ、血管の炎症を防ぐことができるのです。
逆に、血管を傷つけたり動脈硬化の原因にもなってしまう身体に悪い油もありますので、脂肪酸の種類を知って良い油と悪い油を見分けられるようになりましょう。
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