
2025年 機能性表示食品の届出動向から読み解く、機能性関与成分の健康トレンド
年末が近づくと、1年の疲れや体調の変化を感じやすくなるものです。
この1年、ご自身の健康について意識する機会はあったでしょうか。
忙しい日々の中で選ばれてきた機能性関与成分には、現代人の暮らしや健康意識を映し出すヒントが詰まっています。
本コラムでは、2025年に消費者庁へ届出された機能性表示食品の動向をもとに、特に注目を集めた機能性関与成分を5つ取り上げ、そこから見えてきた健康意識の変化を読み解きます。
2025年に見えた健康意識の変化
機能性表示食品とは、事業者の責任において、機能性関与成分の安全性および機能性について科学的根拠を整理し、消費者庁へ届出され、受理された食品です。
そのため、届出件数の多い機能性関与成分は、研究データの蓄積が進んでいることや、消費者ニーズが高いことを示す指標の一つと考えられます。
2025年の届出動向を見ると、病気を治すことよりも、日常的な不調を感じにくくする「未病ケア」への関心がより高まっていることがうかがえます。
2025年 注目された機能性関与成分5選

1.GABA:ストレス社会で注目される成分
2025年に特に多く届出されていた機能性関与成分のひとつがGABAです。
GABAは、脳内で興奮を抑える働きをもつアミノ酸の一種で、以下の機能性で届出されています。
- 一時的な精神的ストレスの緩和
- 睡眠の質の向上
- 血圧が高めの方のサポート
仕事や家事、人間関係など、緊張状態が続きやすい現代において、心のコンディションを整えるケアへの関心が高まった一年といえるでしょう。
2.HMPA:内臓脂肪対策で選ばれた成分
HMPAは、米ぬか由来の機能性関与成分として知られ、以下の機能性で届出されています。
- 内臓脂肪を減らすのを助ける
- 体脂肪が気になる方をサポートする
運動量の低下や生活スタイルの変化を背景に、体型管理や生活習慣を意識する層から支持を集めました。
3.難消化性デキストリン:生活習慣ケアの基盤
水溶性食物繊維の一種である難消化性デキストリンは、以下の機能性で広く届出されています。
- 食後血糖値の上昇を穏やかにする
- 食後中性脂肪の上昇を抑える
- 腸内環境を整える
制限や我慢を前提とするのではなく、日常の食事に無理なく取り入れられるケアとして、安定した人気を保っています。
4.ルテイン:デジタル時代の目の健康を支える
スマートフォンやパソコンの使用が日常化する中、目の健康への関心も年々高まっています。
ルテインは、目の黄斑部に存在し、光刺激から目を守る働きをもつ機能性関与成分です。
目の疲れ、かすみ、ピント調節の低下など、世代を問わず感じやすい悩みに寄り添う成分として注目されています。
5.ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン:巡り・代謝への意識
ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンは、以下の機能性で届出されている機能性関与成分です。
- エネルギー消費を高める
- 脂肪燃焼をサポートする
運動不足が気になる、冷えを感じやすいといった、現代人の悩みに寄り添う成分として関心が集まりました。
2025年の健康トレンドに共通する視点

今回紹介した機能性関与成分には、共通した特徴があります。
- ストレス
- 生活習慣
- 腸内環境
- 体型・代謝・目の健康
いずれも、病気ではないものの不調を感じやすい、日常のコンディション管理に関わるテーマです。
無理をせず、生活の中で少しずつ整える。
そんな健康観が、2025年の機能性関与成分の動向から見えてきます。
年末は、1年の健康を振り返るよいタイミングです。
来年に向けて、今の自分に合ったケアを見直してみてはいかがでしょうか。
消費者庁「機能性表示食品の届出情報検索」
(参照日:2025年12月16日)

















