食中毒に負けない体をつくる!知られざる“腸と免疫”の関係

これからの季節、特に注意したいのが食中毒です。
気温と湿度が高くなる6〜9月は、細菌やウイルスが増殖しやすく、食中毒の発生が急増します

突然ですが、食中毒の原因は“食べ物”だけじゃないって知っていましたか?
今回は、食中毒の基本の予防法に加え、体の内側から免疫力を高める「腸ケア」についてご紹介します。

食中毒の原因とは?

■細菌:カンピロバクター、ウェルシュ菌など
■ウイルス:ノロウイルスなど
■寄生虫:魚介類に寄生するアニサキスなど
■化学物質:ヒスタミン、薬品(漂白剤)など
■自然毒:フグ、きのこ、野草などに含まれる毒

とされており、中でも細菌性食中毒は高温多湿な環境下で食品の取り扱いが不十分な場合に急速に繁殖しやすくなるため注意が必要です。

農林水産省によると、毎年発生している食中毒の原因の多くが、細菌やウイルスによるものです。
では、どのように対策したらよいのでしょうか?

食中毒対策の基本「つけない・増やさない・やっつける」

食中毒予防の基本は3つあります。

■菌をつけない(手洗い・調理器具の消毒)
■菌を増やさない(適切な温度で保存)
■菌をやっつける(十分な加熱)

家庭でもすぐ実践できる内容ですが、見落としがちなのが体調管理です。

体調がカギ!「同じものを食べても症状が出る人・出ない人」がいる?

ちょっと意外かもしれませんが、同じ料理を食べても、体調によって症状が出る人・出ない人がいます。
免疫力の低下が食中毒リスクを高めてしまうのです。

たとえば…

■睡眠不足
■ストレスが続いている
■冷たいものばかり摂っている
■偏った食生活

こうした状態が続くと、腸のバリア機能や免疫力が下がって、菌に「負けやすい体」になってしまいます。
ここで大切なのが、「食中毒を防ぐ=菌に負けない体づくり」です。

食べ物や栄養でできる、内側からの食中毒対策

日々の生活の中で、腸内環境を整えることが免疫力維持に有効とされています。
その理由は、免疫細胞の約70%が腸に存在しているためです。

腸には、体内に入ってきた病原体や異物を最前線で迎え撃つ「免疫のセンサー」としての役割があります

腸内環境が乱れると、免疫細胞の働きが低下し、病原菌に対する防御力も弱くなってしまうのです。
つまり「腸が元気=体の守りが強い状態」になります。
善玉菌を育てる食生活が、食中毒など外からのリスクにも備える「体の土台づくり」につながります。

日々の食生活で、以下のような栄養素を意識して摂ってみましょう。

食べ物や栄養でできる、内側からの食中毒対策

乳酸菌・ビフィズス菌

善玉菌を増やして腸内環境を整え、免疫をサポートしてくれます。

オリゴ糖・食物繊維

善玉菌のエサになり、腸内フローラを元気に保ちます。

ビタミンC・E

抗酸化作用で体の防御力を高め、細胞の酸化ダメージを防ぎます。

核酸・酵素

細胞の修復や代謝を助け、日々の元気を支えます。

亜鉛・鉄分

免疫細胞の働きに欠かせないミネラルです。

これらは、バランスの良い食事から摂るのが理想ですが、疲れているときや暑さで食欲がない日には、健康食品やサプリを上手に取り入れるのもおすすめです。

ちょっとした栄養の意識や生活習慣の見直しで、体の抵抗力はぐっと高まります。
を「つけない・増やさない」+「負けない体づくり」で菌に負けない強い体で、毎日を元気に乗り切りましょう!

出典:農林水産省.“食中毒から身を守るには”.農林水産省.https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/ , (参照2025-06-06)
出典:厚生労働省.“食中毒”.厚生労働省.https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/index.html , (参照2025-06-06)

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